北九州市立美術館 開館50周年記念
足立美術館所蔵 横山大観展
2024/04/06(土) 〜 2024/05/19(日)
09:30 〜 17:30
北九州市立美術館 本館
2024/04/26 |
「山海二十題」は1940年、横山大観が自らの画業50年と紀元2600年を記念して描いた、「山に因む十題」と「海に因む十題」からなる20点の連作です。
37年の日中開戦以来、美術界でも絵筆で国に報いる「彩管報国」が強く求められ、大観はその要請に応えて作品や資金を軍部などに献納しています。「山海二十題」も献納を前提として描かれ、一幅2万5千円という当時としては破格の値が付き、陸海軍それぞれに軍用機が献納されました。
本作「龍躍る」は「山に因む十題」のうちの1点で、稲妻とともに現れる龍の後方に、堂々たる富士が描かれています。この時期の大観は、日本の象徴としての富士に「彩管報国」の思いを託しました。
「山海二十題」は流転を重ね、長らく一部が所在不明でしたが、2002年、最後に「発見」されたのが本作と「海潮四題・秋」です。足立美術館は「山海二十題」のうち、本展に出品されるこの2点を含めた8点を所蔵しています。
(北九州市立美術館学芸員・山下理恵)
◇ ◇
北九州市戸畑区の市立美術館本館で「足立美術館所蔵 横山大観展」が5月19日まで開催中。
=(4月26日付西日本新聞朝刊に掲載)=
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