ロートレックと136人の画家展
2020/11/19(木) 〜 2021/01/10(日)
10:00 〜 18:00
佐世保市博物館島瀬美術センター
2020/12/12 |
今回の展覧会のタイトルになっているトゥールーズ=ロートレック(1864~1901)は、南フランス有数の伯爵家の長男として生まれ、幼い頃より絵を描くことが大好きな少年だった。
天才的描写 記憶頼りに
生来の虚弱体質と遺伝性の骨格の病気で、13歳の年と翌年に骨折したことによって、長い療養生活を送ることになった。しかし、それがかえって彼の絵の才能を大きく伸ばすこととなり、父親の友人の動物画家の下で絵を描くようになる。
中でも、大好きだった馬は、その美しさや、自分にはない躍動感に魅了され、子どもの頃から多くのデッサンや油絵を描いている。
「サーカスにて」は、晩年に制作された代表作。彼が、アルコール依存症のため病院に監禁されたときに院内において、すべて記憶だけを頼りに描いていることに驚かされる。
彼は、パリに出てきてからも常連客であったほどサーカスが好きで、力強く走る馬や華麗に乗りこなす女性曲馬師の姿などを、細かく的確なデッサンによって表現している。それは、彼の観察眼の素晴らしさと、天才的な描写力があったからではないだろうか。
佐世保市の島瀬美術センターで開催中の「ロートレックと136人の画家展」の主な展示作品について、図録を執筆した福井市美術館の河野泰久学芸員が解説します。
=(12月8日付西日本新聞朝刊長崎県版に掲載)=
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