ロートレックと136人の画家展
2020/11/19(木) 〜 2021/01/10(日)
10:00 〜 18:00
佐世保市博物館島瀬美術センター
2020/12/16 |
独自の構図 浮世絵参考
1881年から、ロートレックはパリに出てフェルナン・コルモン(1845~1924)のアトリエで本格的に絵を学ぶようになる。86年ごろ、挿絵画家としてスタートするが、この仕事によって、多色刷り石版画の可能性を見いだすことができ、後のポスターの作品へとつながっていくこととなった。
91年に代表作の「ムーラン・ルージュ ラ・グーリュ」のポスターを制作し、これがパリ市内に貼りだされることにより、一夜にして新進気鋭の画家として注目される。
中でも「ディヴァン・ジャポネ(日本の長椅子)」は、画面中央に人気の踊り子であるジャヌ・アヴリルを配置し、黒い衣装と単純化された線によって大胆に表現している。
お店のカウンターの向こうには、楽器の一部と指揮者をシルエットで描き出し、画面左上には、黒い手袋をした人気歌手イヴェット・ギルベールの体だけを描いた構図にしている。
はっきりとした色合いや構図の取り方は、それまでの西洋絵画的な表現方法とは異なり、北斎や広重などの浮世絵を参考にしながら、新しい独自の表現を切り開いたことが分かる。(福井市美術館学芸員・河野泰久)
=(12月9日付西日本新聞朝刊長崎県版に掲載)=
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