不思議の国のアリス展
2019/12/03(火) 〜 2020/01/19(日)
09:30 〜 17:30
福岡市美術館
2020/01/09 |
出版から150年以上、世界中で読み継がれている「不思議の国のアリス」。後世の表現者をも魅了してやまない独特の世界観とその魅力を紹介する「不思議の国のアリス展」が福岡市美術館で開催中だ。その見どころを、3回に分けて紹介する。
「不思議の国のアリス」は、ひと言で言えば「アリスが見た夢のお話」だ。チョッキを着たウサギ、涙で出来た池、終わらないお茶会、トランプの行進…。奇想天外な出来事と個性豊かな登場人物は、芸術家たちの創作意欲を刺激し続けてきた。アリス展では、そんな「夢」に触発された作品も紹介している。
米国の絵本作家エリック・カールは代表作「はらぺこあおむし」をアレンジした「チェシャネコいもむし」を描いた。チェシャネコは、木の上からアリスを見下ろしてにやにや笑うネコで「アリス」の中でも圧倒的な人気キャラクターだ。糸や布を使ったアート作品で知られる清川あさみは、「無邪気でナンセンスなアリスの世界」に共感し、アリスの涙をカラフルに表現した。レディー・ガガの靴も手掛けたファッションデザイナー舘鼻則孝は、「もしアリスからオーダーをもらったら」とのテーマで青い靴を制作した。会場ではライトに照らされて輝き、ひときわ目を引く。
福岡市を拠点に活動するアート集団「anno lab(あのラボ)」は、「ミミクリーの小部屋」という作品を寄せた。ミミクリーは「物まね」の意。壁に飾られた14枚の絵の前で体を動かすと、絵が一斉に同じ動きをする。
額縁にはめ込まれたタブレットの画像が人の動きを感知して動くのだが、特殊なフィルムで画用紙のような質感を出しており紙に描かれた絵のように見える。自分とシンクロする絵の動きは何度試しても飽きない。(藤村玲子)=12月26日西日本新聞朝刊に掲載=
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