国立カイロ博物館所蔵
黄金のファラオと大ピラミッド展
2017/07/08(土) 〜 2017/08/27(日)
09:30 〜 17:30
福岡市博物館
伊勢田美保 2017/07/26 |
福岡市博物館で開催中の「黄金のファラオと大ピラミッド展」の魅力に迫るレポート第2弾。吉村作治先生のトークショーで得られた前情報を頭に留め、いざ会場へ潜入!
まず会場に入ってすぐ感じたのが、吉村先生も驚きを隠せなかった展示方法。どれも約4500年前のピラミッドから出土した貴重な品にも関わらず、ガラスケースに覆われていない大胆な展示方法を用いたものも。「見たい!」という好奇心に十分に応えてくれる。
ここで、会場で注目を集めていた展示をいくつかご紹介。「アメンエムペルムウトの彩色木棺」は、死者を守護しあの世へ無事に届ける祈りを込めた色鮮やかな棺。棺の外と中に施された精緻な絵柄に、多くの人がしゃがみ込み、時を忘れて見入っていた。
見入ると言えば、王女が身につけていた美しい装飾品には、女性たちが釘付けに。現代でも使えそうなものも多く「自分はこれがいいな」なんて見方をするのも面白い。
一方、子供たちに人気だったのがこちらの「クフ王銘入り雌ライオンのスフィンクス像」。クフ王を守護する小さなスフィンクス像で、足の間にはヒエログリフで文字が刻印されている。吉村先生による解説文付きで分かりやすいのも人気の秘密のようだ。
吉村先生が言及していた、ピラミッド建造に使われた道具の展示も興味深い。建造に携わった農民たちの生活を模した像なども展示されていて、想像を掻き立てられる。
まだまだ見所は多くあるが、これを紹介せずには終われない!吉村先生がトークショーの中で独特の鑑賞方法を教えてくれた「アメンエムオペト王の黄金のマスク」。クライマックス、真っ暗な部屋でただ一つ静かに鑑賞者を待つそれは、まさに厳かで特別なオーラをまとっていた!
改めて言うが、ここまで全てレプリカでも何でもない。かつての人々が作り出した現物だ。古代エジプトに生きた人々の手が生み出した実物の凄みというのは、その場で見たものだけが感じられる特権だ。
また会場の最後には、吉村先生が現在進行中の「第二の太陽の船復原プロジェクト」の最新調査結果と、20分の1模型も展示。8年後の復原完成に、今から期待が膨らむ。
古代エジプトに生きた人々の暮らしぶりや深い信仰心などをさまざまな形で感じ取ることができる、歴史ロマンあふれる本展。およそ100点ある展示のうち、ここで紹介したのはほんの一部。ぜひ会場に足を運んで、その目で楽しんでみてほしい。
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