古伊万里の世界

出光美術館（門司）で、展覧会「古伊万里の世界」が開催される。濃い赤や藍、緑や黄色に金彩を加えた豪華絢爛な装飾が美しい色絵磁器「古伊万里・金襴手(きんらんで)様式」。柿右衛門様式の陶磁器とともに、海外に大量に輸出されてヨーロッパの宮廷を飾り、王侯貴族たちを魅了した日本陶磁の代表として、日本はもとより広く海外で知られている。一方、江戸時代中期を中心に、日本国内でも富裕層の間で贈答用の高級磁器として珍重され人気を博した。

本展ではこれら国内外で流行した金襴手様式の優品にあわせ、この時期以降、九州各地に成立し、独特の作風を示す焼き物を生み出した各地の作品―斬新なデザインの上野(あがの)焼、瀟洒な美をたたえる現川(うつつがわ)焼、華麗な薩摩焼など―出光美術館の九州を代表する日本陶磁器コレクションの華麗で豊潤な美の世界を紹介する。