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大型連休 陶器市華やかに【コラム】

2019/04/27 LINE はてなブックマーク facebook Twitter

ゴールデンウイーク(GW)期間中、今年も西九州の各窯業地で陶器市が開催される。毎年120万人以上が訪れる佐賀県有田町の「有田陶器市」をはじめ、同県伊万里市の「伊万里やきものまつり」、長崎県波佐見町の「波佐見陶器まつり」、同県佐世保市の「三川内焼窯元はまぜん祭り」など百花繚乱(ひゃっかりょうらん)。見どころを紹介する。 (平原奈央子)

 

●有田陶器市 ろくろや絵付け実演も
(4月29日~5月5日)
明治時代に窯元が腕を競う陶磁器品評会として始まり、今年で116回目。JR有田駅から上有田駅までの沿道を中心に、有田町内全域で約450店が出店する。もちもちとした滑らかな食感が楽しめる名物「ごどうふ」など飲食店や屋台カフェも充実。従来の割引市だけでなく、家族連れでイベントを楽しむレジャー化が進んでいる。
同町戸杓の九州陶磁文化館などでは、最前線の陶芸を鑑賞できる「有田国際陶磁展」も開催(4月29日~5月12日)。一流の職人でつくる「伊万里・有田焼伝統工芸士会」は、同町外尾町の佐賀県陶磁器工業協同組合内「職人舎」でろくろや絵付けを実演し、休憩所も設ける。
その他、商社が集まる有田焼卸団地「アリタセラ」、柿右衛門窯や井上萬二窯がある南川原地区などにもシャトルバスが走る。
有田商工会議所=0955(42)4111。

有田陶器市で実演販売する「伊万里・有田焼伝統工芸士会」の
(左から)絵付け師の山口政勝さん、ろくろ師の大串惣次郎さん、絵付け師の梶原真理江さん

●伊万里やきものまつり 景勝の地で逸品探し
(4月29日~5月5日)
幕末まで佐賀藩窯が置かれ、将軍・大名家への献上品を焼いた伊万里市の大川内山で開かれる。黒髪山系の山水画を思わせる風光明媚(めいび)な景色の中で、ゆっくりと散策できる。鍋島焼ならではの繊細な絵付けや透明感ある青磁の逸品を探したい。
伊万里鍋島焼協同組合=0955(23)7293。

「伊万里やきものまつり」で現代の鍋島焼を発表する小笠原藤右衛門窯

●波佐見陶器まつり デザイン性が人気
(4月29日~5月5日)
流行にアンテナを張ったデザインと安価な価格帯で、若者に人気の波佐見焼。本会場は波佐見町井石郷のやきもの公園で、第2会場は波佐見・有田インター広場。絵付けやろくろの体験、フォトコンテストがあり、有田陶器市と往復するシャトルバスも運行する。
波佐見陶器まつり協会=0956(85)2214。

●三川内焼窯元 はまぜん祭り 「窯カフェ」で一服
(5月1~5日)
焼き物を焼成するときの台座「はまぜん」への感謝をこめ、初日の1日午前10時半から佐世保市三川内町の陶祖神社で「はまぜん供養」がある。期間中毎日午前11時と午後3時には、三川内山公民館で「三川内焼オークション」。小さな器の「まめうつわ展」や、窯でお茶を楽しむ「窯カフェ」などもある。
三川内陶磁器工業協同組合=0956(30)8311。

●民陶むら祭 小石原焼、高取焼も充実 豪雨乗り越え
福岡県東峰村の伝統工芸品、小石原焼や高取焼を格安で-。春の「民陶むら祭」が5月3~5日、同村小石原地区を中心に開かれる。2017年7月の九州豪雨で約50ある窯元の半数以上が被災し、一部は作陶の一時中断を余儀なくされたが、工房や展示場などが復活し、生産はほぼ元に戻ったという。小石原焼陶器協同組合の柳瀬眞一理事長は「(被災して以降では)数や種類が最も充実した内容になると思う」と大勢の来訪を呼び掛けている。
民陶むら祭は春と秋の2回あり、にぎわうのは春。素朴な味わいの小石原焼や、茶器の名品を生んだ高取焼が窯元や展示場に並ぶ。春は新作が増えるため、豪雨前までは例年3日間で約10万人が訪れてきた。
豪雨では村内の家屋や道路、河川、農地なども損壊する被害が出た。1年9カ月がたち、まだ復旧・復興は途上だ。柳瀬理事長は「(イベント会場となる)小石原焼伝統産業会館には災害のパネル写真を張っており、民陶むら祭を前にその点数を増やした。来訪の折に村の復興状況を見てもらえたらいい」と話し、10万人以上の来客に期待する。
小石原焼伝統産業会館では期間中、小皿と山菜おにぎりセットの販売(600円、午前11時から各日先着100人)や、フリーカップ絵付け体験(1000円、午前10時から同50人)などを予定。館内で開かれている「小石原焼伝統的工芸品展」では村内の窯元の優れた作品も展示される。民陶むら祭運営委員会=0946(74)2121。
(末広浩)

▼「令和」商品も準備
今年は改元にちなみ、各地の窯元が「令和」にまつわる新商品を準備している。
陶器市を存分に楽しむため、動きやすい服装で水分補給はしっかりと。本気で掘り出し物を見つけたいなら、軍手にリュックの「陶器市スタイル」で臨みたい。
=4月18日 西日本新聞朝刊に掲載=

 

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