久留米市美術館のコレクションing 絵かきになりたい!
2020/05/19(火) 〜 2020/06/07(日)
10:00 〜 17:00
久留米市美術館
2020/05/29 |
画家たちの年齢に注目した展覧会「久留米市美術館のコレクションing 絵かきになりたい!」が、当初の会期を延長して、6月7日まで久留米市美術館で開かれています。同館の中山学芸員より、本展の見どころを前後編に分けて寄稿してもらいました。
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久留米市美術館では5月19日から、「久留米市美術館のコレクションing 絵かきになりたい!」展を開催中です。当初は4月4日からの開催予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で臨時休館が続き、約1ヶ月半遅れての開会となりました。
展示室で首を長くしてお客様を待っていた、当館の選りすぐりのコレクションたちは今、久しぶりにお客様たちからの熱い視線を受けて喜んでいるように見えます。
さて、本展は2016年11月に当館が開館して以来、新収蔵作品を含むコレクションをご紹介する企画展です。「ing」には、コレクション形成が現在進行形であるという意味を込めています。企画テーマは毎回変わり、3回目となる今回は、画家たちが「絵かきになりたい!」という初志を貫いたことに注目しました。
本展に登場する画家は、九州ゆかりの45人。みな少年時代に「絵かきになりたい!」と強く願い、20代、30代、40代…と年齢を重ねながら、自らの芸術に邁進していった人たちです。総数124点の作品は、画家たちが作品を描いた当時の年齢順に展示しており、最初の展示室は10代の頃に描いた作品、中盤が40代の頃に描いた作品、そして最後の展示室は70代以降に描いた作品を集めています。
何歳になっても、どんな時も絵に対する情熱を持ち続けた彼らの作品に触れて、そのパワーを感じていただきたいと思っています。
【画家の年齢に注目した展示構成】
初めて会う人のことを「この人は何歳だろう?」と思うことは、誰でもよくあることではないでしょうか。そして実際の年齢を知って、「自分と同じ歳だった」と親しみを感じたり、「もっとずっと若く見える、すごい!」と驚いたり。
美術作品についても、画家が何歳の時に描いた絵なのか、ということを知れば、「こんなに若い時に描いていたのか、天才だ!」とか、「自分と同じ年齢の時に、こんな絵を描いていたのか…」などと、新たな発見があるかもしれません。
本展では、展示パネルや目録に、作品のタイトルや制作年などの情報とあわせて、「制作時の年齢」を記載しています。
【主な作品①】
4枚の板戸を使って、激しく波打つ海を描いたこの作品は、青木が1905年の7月から8月にかけて、恋人・福田たねと共に千葉県館山市伊戸にある円光寺に滞在中、本堂の板戸に焼け釘で描いたものと伝わっています。制作の背景は不明ですが、寺の許可を得ず取り掛かり、荒々しい海の姿に自身の感情を重ね、一気呵成に仕上げたものと想像されます。板戸の前に立つと、当時23歳の、若い青木の息づかいまで伝わってくるようです。
(久留米市美術館 中山景子)
※後編につづきます
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