九州、山口エリアの展覧会情報&
アートカルチャーWEBマガジン

ARTNE ›  FEATURE ›  連載記事 ›  マンモス展から 永久凍土を掘る<上>【連載】

マンモス展から 永久凍土を掘る<上>【連載】

2020/01/14 LINE はてなブックマーク facebook Twitter

福岡市科学館で開催中の「マンモス展」の見どころを3回に分けて紹介する。

マンモスの全身骨格の前で、来場者に説明する野尻湖ナウマンゾウ博物館の近藤洋一館長

 原始時代を面白おかしく描いたテレビアニメ「はじめ人間ギャートルズ」(1974~76年)のオープニングで、全身を長い毛で覆われた巨大マンモスがヒトを追い回す場面がある。
  目をつり上げて半裸の原始人を追い立てる場面からは、どう猛なイメージを抱きがちだが、実際は草食でヒトを襲うことはなかった。逆にヒトに狩猟されて食用にされ、骨は住居の柱に活用された。マンモス絶滅の原因を乱獲に求める説もあるほどだ。
  どう猛なイメージは、全身を覆う褐色の長い体毛にも起因しているのだろう。氷河期の厳しい気候下、体温を維持するコートの役割を果たしていたのだが、毛むくじゃらの風貌は不気味である。

マンモスの本物の毛。触ることができる


  福岡市中央区の市科学館で開催中の「マンモス展」は、シベリアの永久凍土から出土したマンモスの本物の毛と、ふんも展示してあり、毛には触ることができる。同市中央区の草ケ江小5年、尾崎夏波さん(10)は、透明な容器に入った毛に触れ「ごわごわして硬い」と目を輝かせた。
  「マンモス校」という言葉もあるように、マンモスは巨大さに例えられる。しかし、実際はアフリカゾウよりひと回り小さかった。肩までの高さは3~3・5メートル。会場には全身骨格と復元像もあり、等身大のマンモスを確かめることができる。
  野尻湖ナウマンゾウ博物館(長野県)の近藤洋一館長によると、全身骨格はロシアを中心に世界で100体以上があるが「出所が確かで、ここまで欠損が少ない全身骨格は少ない」と話す。 (大淵龍生)=1月7日西日本新聞朝刊に掲載=

おすすめイベント

RECOMMENDED EVENT
Thumb mini 070f2343ce

江口寿史展
EGUCHI in ASIA

2024/11/09(土) 〜 2025/01/12(日)
福岡アジア美術館

Thumb mini 199fb1a74c

挂甲の武人 国宝指定50周年記念/九州国立博物館開館20周年記念/NHK放送100年/朝日新聞西部本社発刊90周年記念
特別展「はにわ」

2025/01/21(火) 〜 2025/05/11(日)
九州国立博物館

Thumb mini 3accedd64d
終了間近

Yamaguchi Seasonal 2024/大友良英+青山泰知+伊藤隆之
without records

2024/07/20(土) 〜 2024/12/15(日)
山口情報芸術センター[YCAM]サテライトA

Thumb mini f96672f31f
終了間近

Yamaguchi Seasonal 2024/坂本龍一+YCAM
Forest Symphony

2024/08/10(土) 〜 2024/12/15(日)
常栄寺

Thumb mini f569560511
終了間近

あらがう

2024/09/14(土) 〜 2024/12/15(日)
福岡市美術館

他の展覧会・イベントを見る

おすすめ記事

RECOMMENDED ARTICLE
Thumb mini 963c6646c5
コラム

マンモスの皮膚や体毛も 福岡市科学館で「マンモス展」 【コラム】

Thumb mini 3d4dbaefc1
ニュース

マンモス展、福岡市科学館でスタート【NEWS】

Thumb mini 1ec7e833ae
インタビュー

「マンモス展」福岡PR大使のゴリけんさんが、監修者2人にインタビュー

Thumb mini 5b5ad4b40f
レポート

「マンモス展」監修者2人によるサハ共和国調査報告と、展覧会にかける想い(後編)【レポート】

Thumb mini dca6c8e0dc
ニュース

大人気「マンモス展」入場者数5万人突破!【NEWS】

特集記事をもっと見る