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下関市立美術館所蔵品展No.139

殿敷侃(とのしきただし)―僕は夜明けを信じた

日程  2018/01/05(金) 〜 2018/02/25(日)
会場 下関市立美術館
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広島市に生まれ、社会や環境をテーマに制作活動を行った殿敷侃(1942~1992)。下関市立美術館が所蔵する殿敷侃の作品を一堂に紹介する展覧会が開催されています。広島の原爆投下によって両親を失い、自身も二次被爆した作家は、その経験を主題やモチーフとして何度も取り上げました。また、消費と廃棄、都市と地方といった、現代の社会構造、生活、環境に密着した観点からも制作を行いました。

作家は、絵画、版画からインスタレーションへと、表現手法や媒体を展開します。当初は具象や数字・記号を多用した絵画を描き、1970年代からは、モノの姿形をかたどった銅版画に加えて、「くり返し」の行為を特徴とする表現を行います。たとえば、点描で不穏なイメージをあらわしたペン画にはじまり、80年代に入ると、爪痕のような模様で画面を覆った版画、線だけで埋め尽くした絵画、数字スタンプを画面いっぱいに押し続けた作品があります。海外のポップアートの影響や反復の行為がとらえたのは、広島にまつわる記憶や物、想起されるものを中心としていました。

そして、80年代前半より、空間や環境を含めて作品とするインスタレーションをはじめます。ゴミを焼き固めたり、タイヤや廃材を集めたりと、大規模な行動を作品へと昇華し、既存概念や社会にかかわるメッセージを放ちました。

殿敷侃は「僕は夜明けを信んじた」(ママ)と絶筆しています。信じた夜明けとは何であったのか―芸術活動のなかで創出された作品や行為、痕跡から考えます。

「画技競演 狩野芳崖・晴皐と長府藩御用絵師」も同時開催。

【関連イベント】
■所蔵品展No.139ギャラリートーク 2/17(土)14:00~(約1時間)
展示室にて下関市立美術館学芸員による展示解説を行ないます。 ※要観覧受付

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